北海道支部では、この度「2025年度 現場見学会」を開催しました。
北海道新幹線では、現在札幌駅への延伸工事が進められております。本イベントでは、札幌市内で工事が行われている「北海道新幹線、札樽トンネル(桑園)他」の見学を行いました。
開催報告
- 日時:2025年10月31日
- 会場:北海道札幌市
- 主催:(一社)土木技術者女性の会 北海道支部
- 参加者:正会員11名
開催の様子
はじめに、北海道新幹線の事業概要や工事概要を説明いただきました。
本工事は、開削トンネル、掘割式RCボックス、盛土、高架橋の新設工事で、札樽トンネルと札幌駅間を地中から地上へと繋げます。
JR北海道の在来線や住居・商業施設が隣接する区間であり、周囲の環境に配慮した施工方法や施工手順の選定や騒音振動対策等が行われています。

様々な施設に隣接する施工区間
また、掘割式RCボックス、盛土、高架橋は半地下構造物及び地上構造物となっています。
これらの構造物には、スノーシェルターを設置し、雪害から線路を守ることにより、積雪寒冷地である北海道でも安心で雪に強い新幹線の走行が可能となります。
次に現場に移動し、工事の見学を行いました。


説明を受ける参加者
開削土留について、施工している鋼製地中連続壁や柱列式地下連続壁等の説明を受けました。
中でも開削トンネルでは、隣を走行するJR北海道の在来線に配慮し鋼製地中連続壁Ⅱ型が採用されており、その中のCSM工法により行っています。
これは、水平多軸回転カッターで掘削した土とセメント系懸濁液を原位置で攪拌することにより造成された溝中に、鋼製部材の建込みを行い、連続壁体を構築する工法です。こちらの工事ではそのままトンネル本体の側壁となります。
CSM工法の施工機械であるクワトロタイプの機械は日本に3台あり、うち2台が本工事で稼働しています。

CSM工法施工機械の説明を受ける参加者


補強盛土及び高架橋施工箇所
次に、地上構造物が施工される補強盛土、高架橋施工箇所へ。
札樽トンネルと札幌駅間とが繋がる地上構造物が構築される区間です。
本区間にスノーシェルターの機能を有する構造物が構築されることにより、雪に強い新幹線の運行が可能となります。
北海道新幹線が開通すると、札幌から東京へ約5時間で移動することが可能になります。
土木技術者女性の会の行事等をはじめとする移動手段として活躍する日が待ち遠しいです。
この見学会を開催するにあたり、多大なるご協力を賜りました大成建設・伊藤組土建・札建工業・豊松吉工業特定建設工事共同企業体の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。


集合写真
[Last updated on 2024-12-09]
